2001年、私はこんな舞台を観ていました。大好きで再演も観、テレビドラマになった時も喜んで観ました。
「こんにちは、母さん」
あれから10年以上が経ち
「こんばんは、父さん」となれば、それはもう観るに決まりでしょう、と思い。
父 平幹二朗(初見)
息子 佐々木蔵之介(初見)
取り立て屋 溝端淳平(初見)←よかった、若手が生きる舞台はいい!
幕前、永井さんが書籍物販でサインをされていたので、「こんにちは、母さん」の戯曲(もっているのだが、母に貸したまま帰ってこないので…おかあさーん)を購入、サインを頂きほくほく。
お話は地味でした。
とうに手放した、廃墟と化した町工場に忍び込んでくる父。
闇金に手を出したらしく、若い男が取り立てに追ってくる。
取り立て屋に連絡先を知られてしまって、自慢のエリート会社員の息子に電話をかけられる運びになってしまい
なぜかかけた先の息子は、すってんてんになって、工場に先に住みついていた。
10年、音信不通だった父と息子の物語。
世情を反映してか、まあしょっぱいことこの上ないシチュエーションでしたが
脚本がしっかりしていて、役者が安定していると、安心して観ていられますね。
私は二人姉妹なので、父と息子の関係性は実際どんなものか判らず憧れはあるのですが
父が息子に期待するもの、息子が父に憧れるもの、地味ですが沁みました。
が
思いが行きつく先は
結果的に「早くに亡くなってしまった母」であること。
オトコはなんのかんの言ってダメなんだなー、最後に強いのはオンナなんだなー的な。
「こんにちは、母さん」のお母さんが、息子がびっくりするくらい活き活きと生活を送り、老いらくの恋なんかしちゃっていることから見ても、女は強い、ということか。
最後に、カップ酒で母さんに乾杯。
平日昼公演は、客層がシルバーで、下手すると「笑わなくていいところで無理やり笑う」客層だったりしますが、本日のお客さんは上品で、そういう意味でも安心して観劇できました。
地味でしたが(3回目です)、リアルで、丁寧な、いい舞台でした。
そして金曜日に「オウム事件」をモチーフにした芝居を、土曜日にはクサナギさんの舞台初日を観るですよ。
2連ちゃん、前者は濃そうだぞ、だいじょーぶかなー。