上手くできたシチュエーションコメディなんか、舞台でもテレビでも大好物である。
日本の若手の「お笑い」のためのお笑いは、あんまり興味ないかもしれない。ごめんね。
それよりも、舞台で生で観る臨場感ばっちしの、芝居の中の「おかしいところ」のほうが
作ったお笑いよりも好きだと思う。ま、よく観てた90年代の話だと古いっちゃ古いかもしれないけど。
で、それよりも古い、外国のシチュエーションコメディ。30分のテレビ番組。
「ファミリー・タイズ」とか。妹がケーブルで2ヶ国語でとる方法がわからずすげえ悔しがってた(これは原語が最高なのだ)。
昨今イギリスのモンティ・パイソンにもんどりうってる私は、この中で一番のカタブツ、ジョン・クリーズがBBC(国営放送)で70年代に放映した
イギリス、多分南の海辺のホテルを舞台にした「フォルティ・タワーズ」のDVDボックスを入手してちょーゴキゲンなのである。
オックスフォード大とケンブリッジ大、大学進学率が高くないイギリスでコメディのサークル出身(早稲田劇研ってとこか)の集団、モンティ・パイソンの中で
一番インテリで、コワモテで、でかくて、笑顔なしですんごいシュールで過激なギャグを繰り出すジョン・クリーズ。
モンティ・パイソンのレギュラー番組を一時降板して作ったのがこのシットコム。
3連休で、よーやく、観れた。全部じゃないけど。
そーゆールックスの嫌味で皮肉屋でお高く留まってる、ホテルのオーナー、バジル・フォルティが
まったく頭の上がらない妻、英語のわからないスペイン人の使用人、しれっとさらっとのメイド、どうくるかわからない客人たちに
これでもかこれでもか、と振り回されてくらっくらになる。
爆笑せずにはいられない。
ジョンはこの作品を自ら当時の妻、コニー・ブースとこの脚本を書いている。
特別映像で、おじいちゃんになっちゃったジョンが、とても穏やかに当時の状況を語っている。
学生の頃からコメディ・サークルに参加し、法律の道をあっさり捨ててこの世界に入って数十年。
自らやりたいことを、自ら書いて書いて書き倒して、BBCなんてお堅いはずのテレビ局で
自ら演じた作品をつくって。
この人は、本当に、幸せなんだろうなあああああああ。と「あ」がいっぱいつくくらい、おじいちゃんのジョンが羨ましく思いました。
スマップくんたちもこんなに殺人的に多忙ではなくて
自分たちがやりたいことを作家抜きで自分たちで実際に書いたら、どんなに面白いものが出来上がるんでしょうか。
本人たちのアイディアだけで、んんごい面白いスケッチ(敢えてモンティ・パイソン風に言ってみる)が出来ているというのに。
エンタテインメントって、贅沢だなあ。ほう(ため息と供に連休は終わる。)