今日は、広尾にお出かけ。
行き先は、目的から言ってライブハウスかなんかかと思ってたら。
レストランでした、それもちょっとした2次会なんかやりそうな。
そう、私は芝居を観に行ったのでした。
アンファン・テリブル「Soul of Cotton」
演じる前川麻子を観るのは、これで3回目。しかも数年ぶり。
観るたびに「この人美人だなー」と見とれてしまう。
今回の芝居、これがまたすっごくて。久しぶりの高揚感。
もうなんかねー、万近くの金出して怒って帰ってくるような芝居は観れないわ。
前回公演好評に付き、一日だけ再演ってことだったらしいけど
客席は概ね関係者ばっか。
前川麻子が会場からずーっと店内にいたけど、演者がオーダーとってお給仕してくれるなんて初めて。
(ま、レストランだから。)
(多分)雇われマスターが開店前の準備をしているレストランに、小池栄子のグラビアを顔に貼っつけて、食事用のナイフを握り締めて「3万出しなさいよ!」と女が恐喝しながら入ってくる。
この女とマスターは顔なじみらしく、調子モノのマスターはいろいろ女の機嫌をとるが、相当苛ついてやさぐれている。
次第に関係が見えてきたところで、今度は別の「小池栄子」が、食事用のフォークで「5万出しなさいよ!」と脅して入ってくる。
小池Aさんと、小池Bさんとの会話のなかで、シチュエーションが浮かび上がってくる。
ホントにレストランなので、ビール飲むわ、ワイン飲むわ、煙草は吸うわ。
これ以上ないリアリズム。
で、また前川麻子のしゃべり(これは台詞じゃないわな)のテンポがすごい。
お調子者のマスターくんは、なんだかあごの形とか似てるけど、目が切れ長すぎてよくわからない二十歳前後のクサナギツヨシのNG、って感じで(笑)
私は、本読んでもなんか観ても人としゃべってても、「あたしって底浅いなー」としょっちゅう感じてるんですが
(でも浅いので、そう思ったこともすぐに忘れて同じこと繰り返すんですが…)
前川さんの舞台を観ると、特にそう思います。
この人は、でかい、ひろい、ふかい、あかるい。なににも負けない力がありそう。
男が、女にかなわないなーって思う感覚ってこれに近いかもしれない。
比べるつもりはないけど、同世代ってことで、芝居やってたころの柳美里。
すっごい「負」で、書いた文章とか(すっげー怖いこと書いてたもんで)鵜呑みにしちゃった私は
「この人は絶対自殺で死ぬ!」とか思ってたんだけど、そしたら
本売れちゃって、賞取っちゃって、子供産んじゃって、映画にもなっちゃって、マラソンなんかも出ちゃって。
ベクトルが反対の強さ、って感じかな。
良かったです。また再演するかもしれないらしいので、観にいこっと。
しかし…離婚3回目ですか。ホント強いね。HPどうするんだろう…